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リース取引に関わる改正 |
リース取引
1 売買とみなされるリース取引の登場 平成20年4月1日からリース取引の税務上の取扱いが大きく 変わります。 リース取引のうち、貸し手に所有権が残ったまま、リース期間 もリース料もその賃貸物件の耐用年数や取得価額に見合うものを 所有権移転外ファイナンス・リース取引といいます。 ここにいう「所有権移転外」とは、「所有権移転」の反対語で 使われています。
2 制度の導入の背景 会計には、米国会計基準や国際会計基準が国際比較する場合に は、使用されます。それに反し、日本会計基準は、ローカル的な 会計基準とみなされています。 リース取引についても、そのような国際的要求に基準を合わせる べく日本基準の改正が求められています。 そのような背景で登場したのが新しいリース会計基準です。
3 税務上のチェック・ポイント 次のすべてを充足する場合は、「売買取引」とみなされます @リースの契約期日が平成20年4月1日以降であること。 Aリース料の総額が300万円を超えること。 B中途で解約できないこと、かつ、費用を全額負担すべきもので あること。
4 売買契約とみなされる場合の処理 (1)借り手の処理:減価償却費の計上 支払利息は、契約書に従い計上します。 (2)消費税の処理: リースの総額が課税仕入になります。 利息部分が契約書で区分されていれば非課税仕入れになります。 (3)償却資産税の処理 リース会社が納税を行います。
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気になる改正内容 |
【Q1】 中小企業者等の「30万円未満少額減価償却資産」の取得価額の全額損金算入は、まだ、認められますか
【A1】 はい、この制度は、「中小企業者等が平成15年4月1日から平成18年3月31までの間に、取得価額30万円未満の減価償却資産の取得をした場合、その取得価額の全額の損金算入を認める。」と言うものでした。これが、2年延長され20年3月31日までとされました。ただし、今回の改正で、各事業年度においてその取得額の合計が300万円を超えるときは、300万円に達するまでの合計額が限度となります。
【Q2】 取引先との飲食代のうち1人3,000円程度までなら会議費にすることは、認められますか
【A2】 はっきりと「はい」とは言えません。なぜなら女性つきの飲食店や話の出来ないような騒がしい場所などでの飲食代は認められないからです。また、今までは3,000円だから許されて、3,500円だから許されないと言った、はっきりした基準があったわけでもありません。あくまで、ケースバイケースでした。 しかしながら、今回の改正では、「飲食代のうち1人5,000円までは交際費から除外できる。ただし、法人の役員及び従業員に対する接待等の支払を除く」となり、必要な書類としては日付、参加人数、参加した得意先又は仕入先、事業関係者の氏名又は名称、飲食のための額、料理店名、所在地などを表示したものを保存しておかなければならなくなりました。 また、手土産や贈答品代は除外しなければならない事も付け加えておきます。 関係通達(http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/houzin/1001/08/08_61_4a.htm
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会社法施行後の「有限会社」について |
【Q1】 現存する「有限会社」はなくなるのですか。
【A1】 いいえ、今回の新会社法の施行に伴う、整備法により「特例有限会社」として、存続します。
【Q2】 「×××特例有限会社」となるのですか
【A2】 いいえ、「有限会社」の商号はそのまま使用可能です。
【Q3】 「特例有限会社」として存続させるメリット・デメリットを教えてください。
【A3】 概要としては以下の通りとなります。 <メリット> ・ 社会的信用の面からみると、「株式会社」が1円でも設立出来るのに対し、「有限会社」の場合、少なくともある一定の金額を資本としていると言う証明にはなる。 ・ 商号を「有限会社」から「株式会社」へ改める必要がない為、これに付随する費用(登記の変更費用、名刺の作成、等など)の発生が抑えられる。 ・ 「株式会社」の様に役員の任期がないため、「役員変更」などの事務作業やそれに伴う費用の発生が抑えられる。 ・ 貸借対照表や損益計算書の公告の義務がない。 <デメリット> ・ 取締役会・監査役会・会計監査人または委員会などの設置は認められない ・ 従来どおり、一部の場合を除き、株式の譲渡が自由なため、会社の関与なく、株主比率の変動があり得る ・ 特例有限会社はこれを存続会社とする吸収合併および承継会社とする吸収分割を認めないなど、組織再編に大きな限定がでてくる
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会社法制定 現行の有限会社は存続する |
【Q1】 18年4月1日から有限会社は、設立できなくなると聞きました。現在ある有限会社は、存続できるそうですが、定款の変更は必要でしょうか。
【A1】 商法の一部を取り出し、その特例法とまとめて、会社法として成立しました。 その施行日は、まだ決まっていませんが、来年4月から5月になるだろうといわれています。現行の有限会社はそのまま存続できますが、その定款を変更する必要があるかどうかは、政令や規則が公表されていないため、まだ分かりません。なぜ、そのことを考えるかというと、名称は、有限会社の名称は残りますが、取扱いは、株式会社の扱いになるからです。そのことが商号をみてすぐ分かるようにすることも一つの方法であると考えるからです。その場合、職権で変更される部分と会社が変更手続をする部分とに分かれます。
関連事項
【Q2】 会計参与制度が設けられました。その概要を説明して下さい。
【A2】 取締役と共同して計算書類を作成する会社の機関です。 その設置には、定款に記載する必要があります。会計参与になれるものは、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人です。 株主または会社債権者は、会計参与に対して、計算書類等の閲覧・交付等を請求することができます。会計参与は、代表訴訟の対象となります。 このように、株主、会社債権者及び第三者に対して一定の場合に責任を負います。 就任を依頼する会社側と依頼された会計専門家は、そのことを自覚しなければなりません。
【Q3】 合同会社ができますが、どのような組織ですか。
【A3】 外国のLLC(Limited Liability Conmany)に相当するものです。大きな特徴は、社員の有限責任制にあります。社員は、出資の範囲で責任を負います。業務執行社員の責任などが法定されています。もし、合同会社との取引が発生したら、そのことに注意して取引を行う必要があります。
【Q4】 有限責任事業組合(LLP)法が8月1日から施行になりました。その内容と特徴を簡単に説明して下さい。
【A4】 LLP(Limited Liability Patnership)は、我が国にはなかった事業形態として登場しました。その特徴は、@組合員は、出資を限度とする有限責任である、A申告は、LLPでなく、組合員が行うことにあります。 ただし、米国のような労務出資や財産帳簿出資は、我が国の制度では、認められていません。
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教育訓練費が増加した場合の法人税額の特別控除 |
【Q1】 具体的な例で説明して下さい。
【A1】 当社は、18年3月期に法人税の特別控除を受ける予定です。16年3月期と17年3月期に損金に算入した教育訓練費の額は、2,000万円でした。18年3月期は、1,200万円になりました。計算式は、次のようになります。 当期教育訓練費1,200万円−比較教育訓練費(2,000万円/2)=200万円 200万円×25/100=50万円・・・・(1) 当期の法人税の額2,000万円×10/100=200万円・・・・(2)
よって、法人税の額から特別控除できる金額は、(1)の金額と(2)の金額とを比較して、少ない方の金額、50万円に相当する金額が特別控除できます。 青色申告法人のうち中小企業者に該当する法人等については、中小企業者等の特例の適用を受けることができます。上の例では、1,200万円×(20%×0.5)=120万円と2,000万円×10/100=200万円との少ない方、120万円の特別控除が受けられます。
【Q2】 教育訓練費の範囲はどうなっていますか。
【A2】 特別控除の対象となる教育訓練費の額は次の金額の合計額から、教育訓練に充てる為に国又は地方公共団体等から受ける補助金、助成金等額を控除した金額とします。 1.法人自らが使用人に対して教育訓練等を行う場合の講師等に対する報酬等及び旅費、施設、設備の賃貸料、コンテンツの使用料など 2.外部に委託して教育訓練等を行う場合の委託先に対して支払う費用 3.外部で行われる教育訓練等に使用人を参加させる場合の授業料、受講料、受験手数料その他の費用 4.教育訓練等に使用する教科書その他の教材の購入又は製作を委託する場合の購入費用又は委託製作費用
【Q3】 使用人の範囲はどうなっていますか。
【A3】 教育訓練費の額の対象となる使用人には役員と特殊の関係にある特殊関係使用人、使用人兼務役員は含まれません。 なお、いわゆるパート・アルバイトのほか、直接雇用関係のない請負社員や派遣員等も含まれると解されているようです。
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